メタボリック症候群とは

メタボリック症候群イメージ

メタボリックシンドローム(通称:メタボ)とも呼ばれます。
内臓肥満に、高血圧や高血糖、脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。
単に太っていることや、腹囲が大きいという意味で、誤って使用されることもよくありますが、それだけではメタボリック症候群にはあてはまりません。

日本人の主要な死因として、心臓病や脳卒中が挙げられますが、これらはいずれも動脈硬化が原因で起こることが多くなっています。
動脈硬化の危険因子には、高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満・喫煙などがあり、それぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なることによって、それぞれの程度が軽くても動脈硬化が進行することがわかっています。
メタボリック症候群というのは、動脈硬化性疾患のハイリスクの方を見つけ出し、早期治療に結びつけていこうという考え方から生まれた概念といえます。
メタボリック症候群の診断基準は国によっても異なりますが、日本においては、内臓脂肪を基盤とした考え方が採用されています。
内臓に脂肪がたまり腹囲が大きくなる「内臓脂肪型肥満」が、高血圧糖尿病脂質異常症などを引き起こしやすく、これらが重複して、その数が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まるという考え方です。
メタボリック症候群は、特に自覚症状が現れるわけではないので放置されがちなのですが、きちんとした予防や治療を行わなければ、心臓病や脳卒中など重篤な病気を発症する可能性が高くなります。
そのため、2008年4月から、40歳以上の方を対象に「特定健康診査」(特定健診:通称メタボ健診)が実施されるようになり、検査の結果で「動機づけ支援」、「積極的支援」の対象となった場合には、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣を見直すサポートをする(特定保健指導)こととなっています。
特定健診でメタボと判定された、あるいはメタボ予備軍と指摘された方は、当院にご相談ください。

なおメタボリックシンドロームの診断基準は次の通りです。

メタボリックシンドローム
診断基準

必須条件

立位で足を25~30㎝程度開いた状態でウエストサイズ(腹囲)を計測し、男性で85cm以上、女性で90cm以上あると、内臓脂肪型肥満(お腹がポッコリ出ている)が疑われます。
該当する場合、メタボの判定をつけるべく、血圧、血糖、脂質の数値も確認していきます。

必須条件に該当し、以下の3項目のうち2項目以上当てはまるとメタボと判定

血糖(要血液検査) 空腹時血糖が110mg/dL以上
脂質(要血液検査) トリグリセライド(中性脂肪)の数値が150mg/dL以上、またはHDLコレステロールが40mg/dL未満
血圧 収縮期血圧(最高血圧)130mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧)が85 mmHg以上