アレルギー外来とは

アレルギー外来/舌下免疫療法イメージ

日本人の2人に1人は何らかのアレルギー疾患を有していると言われています。
アレルギー疾患には、急激な症状の悪化を繰り返し生じさせるものもあり、学校や職場など様々な場面で生活の質が損なわれる場合も多く、日常生活に大きな影響を及ぼします。
主なアレルギー疾患として、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎などが挙げられます。
これらのアレルギー疾患に関する正しい情報に基づいて、適切な管理を行い、重症化を予防するのがアレルギー外来です。
当院アレルギー外来では、主に気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎、花粉症に対する診療を行います。
これらの疾患でお困りの際は是非ご相談ください。

また、アレルギーによって重篤な全身性の過敏反応を起こした場合を、“アナフィラキシー”と呼びます。
典型的には、全身性の蕁麻疹、かゆみ、皮膚紅潮、唇や舌の腫れが急速に発症し、呼吸困難感や血圧低下、腹痛などを伴います。
日本でも毎年50~70例の死亡が報告されており、極めて緊急度の高い病態で、発症後速やかに適切な処置を行わなければなりません。
当院院長は、救急科専門医として、最重症のアナフィラキシーに対する診療経験も豊富ですから安心しておかかりください。
なお、蜂毒、食物および薬剤等に起因するアナフィラキシーのリスクが高い患者様には、自己注射可能なエピペン®の携行が勧められており、当院で処方することも可能です。

舌下免疫療法

舌下免疫療法とは

アレルギーを引き起こす原因物質のことをアレルゲンと言います。
このアレルゲンを含んだお薬を、舌下に少量ずつ繰り返し投与することで、身体がゆっくりと慣れていくようになります。
治療期間は比較的長く必要となりますが、症状を軽減させるだけでなく、根本的な治癒も期待できる治療法となります。

対象となるのは、5歳以上の、スギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)、およびダニ抗原による通年性アレルギー性鼻炎の患者様です。
治療を行うには確定診断が必要となるため、問診による典型的なアレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻のかゆみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ等)の確認に加え、採血で特異的IgE抗体検査を実施いたします。
治療の開始時期は、スギ花粉症治療の場合、花粉飛散時期を避ける必要があるため、6月~12月に治療を開始しますが、ダニアレルギーの場合は、いつでも治療を開始できます。
即効性のある治療ではなく、治療期間は3~5年と長期間にわたりますので、長期間の治療を毎日継続できる方、1ヵ月に1回の受診が可能な方(初診以外はオンライン診療も可能です)に対して行える治療となります。

治療の流れについてですが、初回投与のみ院内で実施し、投与後30分間は経過観察を行います。
初回投与時は、特にアナフィラキシーの発現に注意が必要となるため、このように慎重な対応が求められるのです。
投与方法は、舌下にお薬を1分間保持した後に飲み込んでいただきます。
服用後5分間はうがいや飲食を控え、服用後2時間は激しい運動やアルコール摂取、入浴を避けるようにしてください。
1日1回のペースで投与を継続します。
最初の1週間はアレルゲン配合量が少ない薬剤から投与を開始し、2週目以降はアレルゲンを増量した薬剤に切り替えていきます。
全員が完治するというわけではありませんが、2割の方で治癒、6割の方は治癒とはいかないまでも効果が感じられた、という報告もあり、有効性の高い治療です。

副作用としては、口の中の腫れ・かゆみ・不快感・違和感、唇の腫れ、のどの刺激感・不快感・違和感、耳のかゆみ等が出現することがあります。
また、重大な副作用としてアナフィラキシーのおそれもあるため、観察を十分に行い、異常が認められた際には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うことが求められます。

舌下免疫療法について詳しく知りたい方は、こちらのリンクをご参照ください。

トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ