説明
アジスロマイシンは、細菌による感染症の治療に使用されるマクロライド系抗菌薬です。日本ではジスロマックなどのアジスロマイシン製剤が承認されており、呼吸器感染症、クラミジアによる尿道炎・子宮頸管炎、皮膚感染症などに用いられています。
海外にはアジスロマイシンを含む医薬品も流通していますが、個人輸入によって入手する製品には、品質や安全性、輸入手続きなどの注意点があります。
特に抗菌薬は、原因菌や感染部位によって適切な種類と投与量が異なります。自己判断による使用は、治療の遅れや薬剤耐性菌の発生につながる可能性があるため、医師による診断を受けることが重要です。
アジスロマイシンの商品概要
アジスロマイシンは、15員環マクロライド系抗菌薬に分類される有効成分です。細菌のタンパク質合成を妨げることで抗菌作用を示します。
日本では、アジスロマイシン水和物を有効成分とするジスロマック錠250mgや、複数のジェネリック医薬品が承認されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 成分名 | アジスロマイシン |
| 国内承認製剤の一般名 | アジスロマイシン水和物 |
| 医薬品分類 | 15員環マクロライド系抗菌薬 |
| 国内の代表的な製品 | ジスロマック錠250mgなど |
| 国内承認製剤の剤形 | 錠剤、細粒、注射剤など |
| 国内の主な適応症 | 呼吸器感染症、皮膚感染症、尿道炎、子宮頸管炎など |
| 国内承認錠剤の区分 | 処方箋医薬品 |
上記は国内承認薬を中心に整理した内容です。海外から個人輸入する製品について、規格・製造元・添加物・品質などが国内承認薬と同一であることを示すものではありません。
参照元:ジスロマック錠250mg
アジスロマイシンの国内承認薬と海外製品の違い
国内承認薬と海外から個人輸入される医薬品では、品質・有効性・安全性の確認制度が異なります。
| 比較項目 | 国内承認薬 | 海外から個人輸入する製品 |
|---|---|---|
| 国内承認 | 対象製品について承認を取得 | 対象の海外製品について承認の有無を個別に確認する必要がある |
| 品質・有効性・安全性 | 国内制度に基づく審査・管理の対象 | 国内と同等の確認が行われているとは限らない |
| 用法・用量 | 国内添付文書に記載 | 対象国や製品の正式な文書を確認する必要がある |
| 副作用被害救済制度 | 制度の要件を満たす場合に対象となる | 個人輸入した医薬品による健康被害は対象外 |
| 入手方法 | 医師の処方に基づく調剤 | 日本の輸入規制に従った自己使用目的の輸入 |
有効成分が共通していても、海外製品が国内承認薬と同じ品質で製造されていることや、同等の血中濃度が得られることまで保証されるわけではありません。
アジスロマイシンを個人輸入する際の注意点
医薬品の個人輸入は、本人が自分で使用することを目的とした制度です。個人輸入した医薬品を他人へ販売したり、譲渡したりすることは認められていません。
また、医薬品の種類や数量によっては、輸入確認証の取得が必要になる場合があります。数量が少なくても、個別の規制対象となる医薬品では別の条件が適用されます。
個人輸入による医薬品には偽造品や品質不良品などのリスクがあり、日本国内で承認されている医薬品と同じ安全性が保証されているわけではありません。
抗菌薬は誤った使用による薬剤耐性の問題もあるため、個人輸入の可否だけでなく、使用の必要性について医師に確認することが重要です。
アジスロマイシンが向いている人
アジスロマイシンは、感受性のある細菌が原因となる感染症に対して使用される抗菌薬です。
国内承認薬では、肺炎や副鼻腔炎などの呼吸器感染症、皮膚感染症、クラミジアによる尿道炎・子宮頸管炎などが対象に含まれています。
ただし、これらの疾患が疑われる場合でも、すべての患者にアジスロマイシンが適しているとは限りません。
感染症の種類、原因菌の薬剤感受性、重症度、併存疾患、過去の抗菌薬使用歴などを踏まえて治療薬を選択する必要があります。
特に一般的な風邪などのウイルス感染症に対しては、アジスロマイシンによる抗菌作用は期待できません。
アジスロマイシンの効果効能
アジスロマイシンは、細菌の増殖に必要なタンパク質の合成を阻害することで抗菌作用を示します。
国内承認薬ジスロマック錠250mgでは、次の感染症が適応症に含まれています。
- 深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎。
- 咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎。
- 肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染。
- 尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患。
- 副鼻腔炎。
- 歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎。
これらは国内承認製剤における適応症であり、海外の個人輸入製品に対して日本で同じ適応が承認されていることを意味しません。
また、国内添付文書では、淋菌を適応菌種とするのは骨盤内炎症性疾患の適応症に限るとされています。
参照元:ジスロマック錠250mg
クラミジア感染症に対する効果
アジスロマイシンは、クラミジア・トラコマティスに対する抗菌作用を持ちます。
日本では、クラミジアによる尿道炎や子宮頸管炎に対して、アジスロマイシン1000mgの単回経口投与が承認されています。
ただし、すべてのクラミジア感染症に対して単回投与が最適な治療方法とは限りません。
米国では、感染部位による治療効果の違いなどを踏まえ、妊娠していない成人のクラミジア感染症ではドキシサイクリンが第一選択として推奨されています。
国内承認用法と海外の診療推奨を混同せず、感染部位や患者の状態に応じて医師が治療薬を選択する必要があります。
参照元:Clinical Updates in Sexually Transmitted Infections, 2024
アジスロマイシンの有効成分
アジスロマイシンは、細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害する抗菌薬です。
国内承認薬ジスロマック錠250mgには、1錠中にアジスロマイシンとして250mg(力価)に相当するアジスロマイシン水和物262.0mgが含まれています。
アジスロマイシンは組織への移行性が高く、血中濃度が低下したあとも、一定期間にわたり組織内に薬剤が存在するという特徴があります。
ただし、組織内に成分が存在することと、すべての原因菌に対して抗菌効果が持続することは同じではありません。
薬剤耐性を獲得した細菌に対しては、十分な治療効果が得られない場合があります。
参照元:ジスロマック錠250mg
アジスロマイシンの臨床試験
アジスロマイシンは、国内外で複数の臨床試験が実施されています。
以下では、日本で承認されたジスロマック錠250mgの電子添文に掲載されている試験結果を紹介します。海外から個人輸入する製品そのものの有効性や品質を検証した結果ではありません。
クラミジア感染症を対象とした国内第III相試験
国内第III相試験では、クラミジア・トラコマティスによる尿道炎・子宮頸管炎の患者に対して、アジスロマイシン1000mgを1回経口投与しました。
治療効果は、PCR法によるクラミジアの陰性化率によって評価されています。
| 評価項目 | 結果 |
|---|---|
| 対象疾患 | クラミジアによる尿道炎・子宮頸管炎 |
| 投与条件 | アジスロマイシン1000mgを1回経口投与 |
| 投与開始15日目のPCR陰性化率 | 86.7%(98/113例) |
| 投与開始29日目のPCR陰性化率 | 90.7%(98/108例) |
29日目の解析対象からは、15日目以降に併発疾患が発現した1例、抗菌薬を併用した1例、15日目で観察を終了した3例が除外されています。
そのため、15日目と29日目では評価対象者の人数が異なります。
また、ここで示された割合はPCR検査による陰性化率であり、症状の改善率や再感染を含めた長期的な治癒率を示すものではありません。
参照元:ジスロマック錠250mg
呼吸器感染症を対象とした臨床試験
国内第II相・第III相試験および海外の二重盲検比較試験では、呼吸器感染症に対するアジスロマイシンの有効性が検討されています。
咽喉頭炎、急性気管支炎、慢性呼吸器疾患の二次感染、肺炎、マイコプラズマ肺炎などを対象とした試験で、有効率は97.6%(373/382例)と報告されています。
ただし、この数値は対象疾患や試験条件が異なる症例を含む結果であり、現在のすべての呼吸器感染症に対して同じ有効率が期待できることを意味しません。
特に薬剤耐性菌による感染症では、過去の試験結果と異なる治療効果が生じる可能性があります。
参照元:ジスロマック錠250mg
アジスロマイシンの服用方法
アジスロマイシンは感染症によって適切な投与量と治療期間が異なります。
以下は国内承認薬ジスロマック錠250mgに定められている成人の用法・用量です。海外から個人輸入する製品の正式な用法と同一であることを確認したものではありません。
一般的な細菌感染症の場合
国内承認薬では、深在性皮膚感染症、呼吸器感染症、副鼻腔炎、歯科領域感染症などに対して、成人には通常アジスロマイシンとして500mgを1日1回、3日間、合計1.5g経口投与します。
ただし、感染症の種類や症状によっては注射剤による治療や別の抗菌薬が必要になる場合があります。
治療開始4日目以降も症状が改善しない、または悪化する場合には、医師が適切な別の薬剤への変更を判断することとされています。
尿道炎・子宮頸管炎の場合
国内承認薬では、成人の尿道炎・子宮頸管炎に対して、アジスロマイシンとして1000mgを1回経口投与します。
投与後は2~4週間の経過観察によって効果を判定し、細菌学的検査や臨床症状から十分な効果が得られていない場合には、医師が治療内容の変更を検討します。
自己判断による追加投与や服用量の変更は、治療の失敗や副作用、薬剤耐性の原因になるおそれがあります。
参照元:ジスロマック錠250mg
骨盤内炎症性疾患の場合
国内承認薬では、骨盤内炎症性疾患に対して、アジスロマイシン注射剤による治療を行ったあと、250mgを1日1回経口投与する方法が規定されています。
国内第III相試験では、注射剤を1~2日間投与したあとに経口剤へ切り替え、総投与期間7日間で治療が行われています。
注射剤を使用せず、経口剤のみで治療した場合の有効性と安全性は確立されていません。
したがって、海外製の経口アジスロマイシンだけで骨盤内炎症性疾患を治療できると判断することは適切ではありません。
参照元:ジスロマック錠250mg
服用期間と薬剤耐性への注意
抗菌薬は、感染症に応じて適切な種類・用量・期間を選択する必要があります。
厚生労働省の「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版」では、抗菌薬の不適切な使用を減らし、薬剤耐性菌の出現や拡大を防ぐことが重要とされています。
自己判断で服用を開始する、別の感染症に残った抗菌薬を使用する、症状が改善しないために追加で服用するといった使い方は避けてください。
また、処方された場合でも、服用期間の変更や中止については担当医の指示に従う必要があります。
アジスロマイシンを服用できない人
国内承認薬ジスロマック錠250mgでは、製剤の成分に対して過敏症の既往歴がある患者への投与が禁忌とされています。
また、次のような人は慎重な判断が必要です。
- マクロライド系またはケトライド系抗菌薬による過敏症の既往がある人。
- 心疾患やQT延長などの不整脈に関する既往がある人。
- 高度な肝機能障害がある人。
- 妊娠中、または妊娠している可能性がある人。
- 授乳中の人。
- 複数の医薬品を使用している人。
国内添付文書では、妊娠中の患者については治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与するとされています。
授乳中については、母乳への移行が報告されているため、治療の必要性と母乳栄養の有益性を踏まえ、授乳の継続または中止を検討する必要があります。
海外から個人輸入する製品については添加物などが異なる可能性もあるため、成分名が共通していることだけで安全性を判断しないでください。
参照元:ジスロマック錠250mg
アジスロマイシンの副作用
主な副作用
アジスロマイシンでは、下痢、腹痛、悪心、嘔吐、発疹、肝機能に関する検査値の異常などが報告されています。
国内承認薬の添付文書に記載されている主な副作用の頻度区分は次のとおりです。
| 頻度区分 | 主な副作用 |
|---|---|
| 1%以上 | 下痢、好酸球数増加、ALT増加 |
| 0.1%以上1%未満 | 発疹、蕁麻疹、そう痒症、腹痛、悪心、嘔吐、白血球数減少、AST増加など |
| 頻度不明 | 光線過敏性反応、めまい、傾眠、味覚異常、聴力低下など |
頻度不明とは発現頻度を算出できないことを意味し、発生率が低いことを保証するものではありません。
また、これは国内承認製剤の集計に基づく情報であり、個人輸入した特定の海外製品の副作用発現率を示すものではありません。
参照元:ジスロマック錠250mg
重大な副作用と受診が必要な症状
国内承認薬の添付文書には、ショック、アナフィラキシー、重い皮膚障害、肝機能障害、急性腎障害、大腸炎、QT延長、心室性頻脈などの重大な副作用が記載されています。これらの頻度はいずれも不明です。
呼吸困難や喉の腫れなど、重いアレルギー反応が疑われる場合は直ちに救急医療を受けてください。
また、発疹に加えて口唇や目などの粘膜にただれや水ぶくれが現れた場合は、服用を中止して直ちに医師へ連絡する必要があります。
頻回の下痢や血便、強い腹痛が現れた場合も、重大な大腸炎の可能性があるため、直ちに服用を中止して医療機関で適切な処置を受ける必要があります。
アジスロマイシンは組織内半減期が長いため、服用を終えたあとにも副作用が現れる場合があります。
参照元:ジスロマック錠250mg
アジスロマイシンの併用禁忌
国内承認薬ジスロマック錠250mgの確認した電子添文では、相互作用として併用注意薬が記載されていますが、併用禁忌薬の一覧は設けられていません。
ただし、併用禁忌薬の一覧がないことは、すべての医薬品と安全に併用できることを意味しません。
併用に注意が必要な医薬品
国内添付文書では、次の医薬品などについて相互作用が報告されています。
| 薬剤 | 主な注意点 |
|---|---|
| ワルファリン | INRの上昇が報告されている |
| シクロスポリン | 最高血中濃度の上昇と半減期延長が報告されている |
| ジゴキシン | ジゴキシン中毒のリスク上昇が報告されている |
| ネルフィナビル | アジスロマイシンの血中濃度上昇が報告されている |
| ベネトクラクス | 効果が減弱するおそれがあり、併用を避けることが望ましい |
| 水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウムを含む制酸剤 | アジスロマイシンの最高血中濃度低下が報告されている |
相互作用の程度は患者の状態や併用薬によって異なります。特に抗凝固薬や心疾患の治療薬などを使用している場合は、医師・薬剤師に確認する必要があります。
参照元:ジスロマック錠250mg
アジスロマイシンの保管方法
日本で承認されているジスロマック錠250mgの電子添文には、貯法として室温保存、有効期間として3年と記載されています。
ただし、これらは国内承認製剤の正式な保管条件であり、海外から個人輸入するアジスロマイシン製品の条件とは限りません。
海外製品の保管温度や遮光・防湿条件などについては、対象製品の正式な包装表示や添付文書で確認する必要があります。
実際の製品に記載された使用期限を確認し、期限を過ぎたものや包装に異常があるものは使用しないでください。
参照元:ジスロマック錠250mg
アジスロマイシンを個人輸入する前に確認したい制度と治療上の違い
アジスロマイシンの個人輸入では、医薬品の含有量や価格だけでなく、輸入手続きの条件や使用目的、感染症に対する治療方針を確認する必要があります。
以下では、厚生労働省の輸入手続資料と国内外の医学的資料をもとに、見落としやすい点を整理します。
処方箋医薬品の個人輸入には数量上の条件がある
厚生労働省が2025年6月30日に公表した医薬品等輸入手続質疑応答集では、毒薬・劇薬・処方箋医薬品について、輸入確認証を取得せずに個人輸入できる数量の原則は、用法・用量からみて1か月分までとされています。
ただし、この数量以下であれば、すべての医薬品を無条件で輸入できるという意味ではありません。
重大な健康被害のおそれがある特定の医薬品については、1錠であっても輸入確認証が必要になる場合があります。
また、包装や添付資料から用法・用量が確認できず、規定の数量以下であると判断できない場合にも、輸入確認証の取得が必要です。
さらに、同じ製品を分割して注文しても、一定期間内の輸入総数量が規定を超える場合には輸入確認証が必要となります。
アジスロマイシンを含む特定の製品についての輸入可否は、数量だけでなく対象製品の規制や必要書類を確認する必要があります。
国内で承認された成分でも海外製品の品質は保証されない
アジスロマイシンは国内で承認された有効成分ですが、海外から取り寄せる製品そのものが日本で承認されているとは限りません。
海外製品では、製造方法、添加物、品質管理、包装仕様などが国内製剤と異なる可能性があります。
また、製品に有効成分名や規格が記載されていても、表示された内容や真正性を確認できるとは限りません。
厚生労働省は、個人輸入された医薬品について、日本の医薬品医療機器等法に基づく品質・有効性・安全性の保証がないことを注意喚起しています。
加えて、個人輸入した医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
海外で流通していることや有効成分が国内承認薬と同じであることだけを理由に、安全性が確認された製品と判断しないことが重要です。
クラミジアの治療では感染部位や妊娠の有無も重要
日本の国内承認薬では、成人の尿道炎・子宮頸管炎に対してアジスロマイシン1000mgの単回経口投与が規定されています。
一方、米国の性感染症診療資料では、クラミジア感染症に対する治療方法が患者の条件によって異なります。
| 対象 | 米国の治療推奨 | 注意点 |
|---|---|---|
| 妊娠していない成人 | ドキシサイクリン100mgを1日2回、7日間 | クラミジア感染症の第一選択として推奨 |
| 妊娠していない成人での代替治療 | アジスロマイシン1000mg単回投与 | 感染部位などにより治療後の評価が重要 |
| 妊娠中のクラミジア感染症 | アジスロマイシン1000mg単回投与 | 治療終了から約4週間後の治癒確認が推奨される |
米国でドキシサイクリンが重視される理由の一つは、直腸クラミジア感染症に対するアジスロマイシンの有効性に懸念があるためです。
この違いは、日本で承認されたアジスロマイシンの用法が無効であることを意味しません。国ごとの承認状況や診療ガイドライン、患者の条件が異なるため、治療方法を自己判断で切り替えることは適切ではありません。
参照元:Clinical Updates in Sexually Transmitted Infections, 2024
薬剤耐性のために抗菌薬の自己使用を避ける必要がある
抗菌薬を必要のない感染症に使用したり、原因菌に適さない薬を使用したりすると、適切な治療が遅れるだけでなく、薬剤耐性菌の発生や拡大につながる可能性があります。
厚生労働省の抗微生物薬適正使用の手引き第四版では、感染症に対して抗菌薬が必要かどうかを判断し、必要な場合には適切な種類・用量・期間を選択することが重要とされています。
特にウイルスが原因となる一般的な風邪では、通常、抗菌薬は必要ありません。
海外から医薬品を個人輸入できるかどうかと、その医薬品が現在の症状に適しているかどうかは別の問題です。
アジスロマイシンのQ&A
アジスロマイシンは日本でも処方してもらえるのか
はい。日本ではジスロマックやアジスロマイシンのジェネリック医薬品が承認されています。
ただし、医師が抗菌薬による治療を必要と判断した場合に使用される処方薬です。希望すれば必ず処方されるものではありません。
アジスロマイシンの個人輸入は誰でもできるのか
個人輸入は自己使用を目的とした制度ですが、すべての医薬品を無条件で輸入できるわけではありません。
医薬品の種類や数量、規制対象成分の有無などによって必要な手続きが異なります。輸入可否については厚生労働省や地方厚生局の案内を確認してください。
アジスロマイシン250mgと500mgはどちらを選べばよいのか
アジスロマイシンの用量は感染症の種類や患者の状態によって異なるため、含有量だけで適切な製品を判断することはできません。
国内承認薬では感染症ごとに用法・用量が定められていますが、海外製品にそのまま当てはめず、医師の指示に従う必要があります。
アジスロマイシン1000mgはクラミジアに効果があるのか
国内承認薬では、クラミジアによる尿道炎・子宮頸管炎に対して1000mgの単回経口投与が認められています。
ただし、感染部位や患者の状態によって適切な治療方法は異なります。治療後の経過観察や、必要に応じた検査も重要です。
アジスロマイシンは淋病にも使えるのか
日本で承認されたジスロマック錠250mgでは、淋菌を適応菌種とするのは骨盤内炎症性疾患の適応症に限られます。
淋菌性尿道炎などをアジスロマイシン単独で自己治療することは適切ではありません。疑われる場合は検査と適切な抗菌薬による治療が必要です。
アジスロマイシンを飲んでも症状が改善しない場合はどうすればよいのか
感染症によって治療効果を評価する時期は異なります。
国内添付文書では、一般的な細菌感染症については治療開始4日目以降も症状が改善しない場合、医師が別の薬剤への変更を判断するとされています。
一方、尿道炎・子宮頸管炎では投与開始後2~4週間の経過観察が必要です。自己判断で追加服用したり、治療期間を変更したりしないでください。
アジスロマイシンは風邪にも使用できるのか
一般的な風邪の多くはウイルスが原因であり、アジスロマイシンはウイルスに直接作用しません。
細菌感染症の合併など特別な事情がない限り、風邪症状だけを理由に抗菌薬を使用することは推奨されません。
個人輸入した医薬品で副作用が出た場合はどうすればよいのか
医薬品の服用後に異常が現れた場合は、速やかに医療機関へ相談してください。呼吸困難や重いアレルギー症状などがある場合は、直ちに救急医療を受ける必要があります。
受診時には、服用した医薬品の名称や含有量、服用した日時、包装などの情報を医師へ伝えることが重要です。
なお、個人輸入した医薬品による健康被害は、日本の医薬品副作用被害救済制度の対象にはなりません。

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